初めての確定申告…
2020年度、FXや投資に夢中になりながらあっという間に過ぎていきました。結果的に、海外FX口座のトレードがうまくいき、利益を出すことができ、よっしゃよっしゃ!と思っていた訳ですが、脳裏をかすかによぎった税金の話…
- 利益20万円超えたけど、税金を払わないといけない?!
- 会社員だけど、確定申告ってどうやってやるの?
- 申告しなくてもばれない?( ゚д゚)
FXの確定申告について学ぼう!
確定申告とは?

確定申告なんてしたことない・・・
会社員は、会社が代わりに「源泉徴収(年末調整)」で給料から天引きで所得税を払ってくれています。収入が会社の給料だけなら確定申告は必要ありません。
しかし、副業や海外FXなどで一定以上の利益を上げた人は、「実は会社の給料以外にも所得があるので、その分の税金を納めます」と自分から報告しないといけないのですね。
FXでいくら儲けたら申告が必要?
確定申告が必要となる条件は、①給与取得者(会社員)と、②非給与取得者(自営業など会社から給料をもらってない人)で異なります。
分類 | 条件 |
①給与取得者(会社員) | 年間利益が20万円以上 |
②非給与取得者(自営業など) | 年間利益が38万円以上 |
いつ申告が必要?
確定申告の期間は、毎年2月16日〜3月15日あたりです。
今年(2021年)は、2020年の1月1日から12月31日までの所得を、2021年2月16日(受付開始)〜2021年3月15日(申告期限)までに申告します。
※近年は、コロナの影響により期限が1ヶ月延長されています。
どのくらい税金とられるの?
国内FXと海外FXで税率が異なってきます。
国内FXの場合
国内FXの税率は、一律20.315%です。約20%ですね。
20万儲けたら約4万、50万儲けたら約10万円もってかれます。損するリスクがある中、せっかく利益を出せたのに、世知辛いですなぁ…(^^;
会社員としての年収が300万でも、1000万でも税率が同じです。FX利益が20万でも200万でも税率は同じです。年収やFX利益の大きさとは関係なく一律の税率で税金を払う「分離課税」という枠で申告します。
海外FXの場合
一方、海外FXの場合は、年収や利益の大きさで税率が変動します。年収や利益が大きいほど、税率が高くなる「累進課税」となります。会社員の年収と利益を足し合わせて税金を算出する「総合課税」という枠で申告します。
要は、海外FXで儲け過ぎたら、単純に「あなたの総合年収が上がった」と考えられ、それ相応の税金を払わないといけなくなるという仕組みです。
課税所得額(年収+利益) | 税率(内訳) | 所得控除額 |
20万円以上~195万円以下 | 15%(所得税5%+住民税10%) | なし |
195万円超~330万円以下 | 20%(所得税10%+住民税10%) | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 30%(所得税20%+住民税10%) | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 33%(所得税23%+住民税10%) | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 43%(所得税33%+住民税10%) | 1,536,000円 |
1,800万円超~4,000万以下 | 50%(所得税40%+住民税10%) | 2,796,000円 |
4,000万円超 | 55%(所得税45%+住民税10%) | 4,796,000円 |
あなたの課税所得額(年収+海外FX利益の合計)が300万円だったら、税率は20%となります。海外FXの利益が50万だったら、50万×20%=10万円が海外FXの税金です。
ただ、自分の課税所得額(課税対象となる年収)っていくら?この表のどこなの?と、ちょっと混乱すると思いますので、説明いたします。
課税対象となる年収とは?
源泉徴収票をご準備ください。
源泉徴収票には、「①支払金額」と「②給与所得控除後の金額」があり、一般的に①を年収と思うかもですが、課税対象は②の方です。更に「③所得控除の額の合計額」を引いたものになります。
①を年収と考えてた人は、①が600万だったら、「げー!税率30%もとられるの?」と思うかもしれませんが、計算してみると意外に低い金額になります。「あ、課税対象は330万以下だった。税率20%か」となる人も多いと思います。
「④源泉徴収税額」は、既に会社から支払っている所得税の金額です。
その他の疑問
利益・損失の集計方法
海外FXの口座のMT4から1年間の取引履歴を出力し、損益報告書として使用します。MT4から取引履歴を出力する方法は、別の記事にまとめます。
色々な海外FX業者(XMやGemforexなど)で複数の口座を持っている人は、それぞれの口座の取引履歴を出力します。
A口座で100万利益が出ても、B口座で−50万損失をくらった場合は、差し引き可能です。100−50=50万円が利益になります。
入金ボーナスはどうなる?
海外FXには、魅力の入金ボーナスというものがあります。
50万円入金したら、50万円分の証拠金ボーナスがもらえたりします。100万円分証拠金がある状態で取引ができ、100万円分損するまで取引ができます。このケースで考えてみましょう。
ボーナスの50万円は、出金(現金化)はできません。取引で利益が出れば、その利益はそのまま出金できますが、ボーナスの金額自体は、その口座だけで有効な架空の金額です。現金化できない(50万円を得た訳ではない)ので、ボーナスは収入ではなく、課税の対象外と考えてよいでしょう。
では、入金+ボーナスの証拠金を全て損した場合はどうでしょうか?この場合、取引履歴としては、−100万円の損失として記録が残ります。でも、実際に損した現金は、入金額の50万円です。次のケースを考えてみます。
口座 | 入金額 | ボーナス | 取引履歴 | 口座残高 |
A口座 | 50万 | 50万 | −100万 | 0 |
B口座 | 50万 | 50万 | +100万 | 150万 |
A口座とB口座の入金額の合計が100万円に対して、最終的に残った残高は150万円です。キャッシュとして50万円の利益が出たので、確定申告が必要そうです。しかし、MT4で取引履歴を出力してみると、A口座の取引は−100万円の損失をくらった状態になっています。AとBの取引履歴を合算すると、±0になるので、確定申告しなくてもよい…?とも解釈できそうです。
ボーナス分の損失を含めて、損失を大きく見せるというのは、海外FXの節税の小技として、一般的にOKという見解を見かけます。海外FX業者もおそらくOKとQ&A等に書いてます。が、僕個人の考えとしては、「NGじゃないかな?」と思います。
OKと考える人は、海外FXのボーナスは、法律上明確に規定がない=グレーゾーンである以上、取り締まることはできない。よって、損失を大きく見せても問題ない。という考えのようです。
僕的には、キャッシュとして利益が出たのが事実だし、ボーナスが出金できない架空のお金(課税対象外)なら、損失も架空だろ?って思うし、OKと考えるには都合良すぎだろ!って思います。まぁ、多分これ明確な答えがない話だと思います。ただ、「儲けたなら税金を払わないといけない」という原則に従って、僕はおとなしくボーナス分の損失で損失を大きく見せることはせず、キャッシュとしての利益分で申告しようと思います(ビビリだし)。
申告しなくてもばれない?
利益は小額だし、こんな一般人にまで税務調査は入らないでしょう?…と思うのは危険のようです。最近は投資ブームもあるので、FXや仮想通貨については、税務署も目を光らせています。申告しないで指摘された場合は、ペナルティ分の税金が上乗せされることになります。
申告しなくてもばれない?…という考えは捨てて、おとなしく申告をしましょう。
さあ、確定申告をしよう!
…といっても確定申告なんてしたことないし、難しい言葉ばっかりで難しそう…。僕もそう思ってましたが、やってみると、意外に簡単でした。確定申告の方法については、別の記事にまとめましたので、そちらをご参考ください!
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